あけましておめでとうございます。管理人のらっしー(twitter @rassi_2002)です!
今回の記事は小説となっております
なぜ小説?とお思いの皆さん。答えをお教えしましょう
完全な自己満足です
この間回ったシナリオでめちゃくちゃお気に入りのPCができたので、彼の後日談を妄想して執筆しました
シナリオの内容を知らない方からすればなんのこっちゃという内容ですが、読み物として楽しんでいっていただけたら幸いです!
とある探偵の冒険ーその後日談ー
目が覚める-いつもの朝だ。特になんということもない、朝
例のあの事件を解決してからはや1ヶ月が過ぎた
いつも僕に呼びかけるようにして見ていたあの夢はもう見ていない
本当に、いつも通りの朝がやってきた
「もう朝ですよ〜!起きてください、先生!」
そう呼びかけてくる声は、なぜだか僕を安心させる
「ああ、起きるとも」
そういって僕は、ベッドから出-バサバサッ!
ああ、忘れていた。昨日は以前依頼された資料を眺めながら寝ていたんだ
はぁ・・・もうこういったことはすまい。何度したかわからない誓いを立てる
その時、ガチャリとドアの開く音がする
「あ〜先生!またこんなに散らかしてもう・・・」
そういって部屋に入ってきたのは助手の小太郎だ。
こんな名前だがれっきとした女性だ
小柄な体で、忙しなく資料を片付けながら毒づく
「これ、毎回片付けるの結構手間かかるんですよ?仕事熱心なのはいいですが、寝床に入るときに資料を読むのはやめてください!」
「いやすまない、毎回寝る前に片付けようとは思っているんだが・・・」
「すまないですんだら警察はいりません!」
ぴしゃりと叱られる。
昔から部屋の片付けや掃除はこなせるのだが、どうも書類や資料の整理は苦手だ・・・
寝ぼけ眼をこすりながら洗顔と歯磨きを済ませ、事務所1階のリビング兼応接室へと向かう
リビングの丸机の上には朝食のエッグトーストとカップ一杯のスープが置いてある
小太郎がこちらに来てから、朝はこのセットと決まっている
時々、友人から飽きはこないのかと聞かれることがある
その点は特に問題はない
そもそも僕は食への執着があまりない
それに、30にもなった男に対してわざわざ食事を作ってくれるというのだ
ここまで恵まれている状況に感謝こそすれ、文句などあるはずがない
「さて、先生、いただきましょうか」
「ああ、そうだね。いただきます」
うん、おいしい
朝食を食べながら、ぼんやりと考えをめぐらせる
小太郎が来て–いや、正確には帰って来てからのうちの仕事は以前にもまして増えた
仕事の依頼に事欠かないと言うのは探偵冥利に尽きるのだが、一つ問題がある
あの事件以来右腕を失ってしまった。それ故に仕事をする上でのハンデを背負うことになってしまった
まあ、僕の負いきれない事件は他人の力を借りれば解決できるだろう
そもそも僕は英雄じゃあない。目の前の事件を1人で解決しようだなんて、身の丈に合わないわがままだろう
とその時、不意に玄関の呼び鈴が鳴る-依頼人だろう
「依頼人さんでしょうか?お迎えに行ってきますね」
「ああ、頼むよ」
とその時、ふと脳裏によぎる、あの事件の思い出
-できもしないことを-
小太郎が僕に向けて放った言葉だ
他人が聞いたら訝しむかもしれないが、この言葉は僕に勇気を与える
ニヤリと笑って小声で呟く
「ああ、できもしないことを他人の力を借りながら乗り越える。それが僕だよ」
さて、今日の依頼はどんなものだろう-浮気の証拠探し?企業スパイの調査?はたまた―――少女の行方不明事件、なんてのもいいかもしれない
今日もまた、必死に生きていこう。もがきながら、掴める手は全力で掴みながら。
あとがき
ここまで読んでくださり、ありがとうございました
この小説は、TRPGのセッションの後日談という形式で書かせていただきました
ちなみに例の事件とは、助手の小太郎が行方不明になった事をきっかけに、探偵である江戸川 散歩(えどがわ さんぽ)が名状しがたい巨大な事件のような何かに巻き込まれると言うものです
その事件を通して主人公は成長し、様々なものを引き換えに何にも替え難いものを手にしました
ちなみに、今回プレイさせていただいたシナリオ名は「水生桜」(みぶざくら)と言うものです
この記事を読んで気になった人は、ぜひ調べて見てくださいね
この小説を書くに至ることができたのも、セッションを開催してくださったKPさんのおかげです
改めて、ありがとうございました
以上、らっしー(twitter @rassi_2002)でした!
イラスト修行企画もよろしくお願いします
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